旅に病んで
昔の人は死に際して、辞世の句を読んだんだよね。
死の直前に思う事、これってすごく個性が表現されるもんだと思う。
「竜馬がゆく」にもいろんな辞世の句が出てきたけど、一番印象に残ったのは
27歳にして短くも波乱に富んだ生涯を閉じた高杉晋作の句。
『おもしろき こともなき世を おもしろく』
これに晋作の看病をしていた友人が「住みなすものは心なりけり」と続けたという話も。
27年しか生きれなかった異端児が言うと重みが違うよね。
それから、昔から好きなのが松尾芭蕉の辞世の句。
病の床に臥してなお、旅を想う句。
『旅に病んで 夢は枯野を かけめぐる』
昨日の早朝、ベルが亡くなったそうです。
ほんとによくがんばったよ。
ベルならどんな句を読んだだろう??
きっと今頃は、ようやく重い体から開放されて、
元気に枯野をかけめぐってるんだろーな。